おっとっと冬だぜ

広義の意味では日記だが、狭義的にはゴミ置き場

「ポイントカードはお持ちでしょうか」問題を斬る

コンビニや家電量販店などで買い物をする際、レジで下記のようなやり取りをすることがある。


「ポイントカードはお持ちでしょうか?」

「あっ、ないです」

「失礼しました」


私は財布を整理整頓するのが極端に苦手なため(あと、ピロートークも苦手)、ポイントカードとレシートとキャバ嬢の名刺は極力もらわないようにしている。そのため、上記のやり取りをする機会が多いのだが、このやり取りがどうにも納得いかないのである。
この一連の会話の中で、そこはかとなく感じる不自然さに、いつも居心地の悪さを感じてしまう。


この店員は何も失礼な行為などしていないはずで、それにも関わらず謝罪の言葉を発するのはおかしいように思うのだ。
謝るということは、少なくとも店員は私が何か不利益を被ったと考えたために、店を代表して謝罪をしたのだと思うが、逆に私はたかだかポイントカードひとつでそこまで気苦労をかけさせてしまったことに対して自責の念にかられるのである。
そして、いつも「悪いのは この歪んだ資本主義社会で、あんたは決して悪くない」と心の中で店員をフォローするのである。



実際、この一連のやり取りの中で、店員はどういう気持ちでいるのであろうか?


「(ポイントカード全盛時代にまさかポイントカードを所持していないってことは通常あり得ないが、この客は見たところ冴えない顔してるし、時代に乗り遅れて生きていそうな情弱っぽい雰囲気がするから、持っていない確率が相当高そうな気がするな…)ポイントカードはお持ちでしょうか?」

「あっ、ないです」

「(あちゃーやっぱりかー、そうだろうと思ったわ。この覇気の無さ、精気が感じられない顔、服装のダサさは完全に持ってない側の人間だわ。たぶん、精子も薄いぞ、コイツ。カルピスだぞ、カルピス。アダ名は精子 薄男だな。あー、いくらアルバイトとは言え俺も金もらってレジ打ちをしている以上はプロなんだから、そこは顔と雰囲気で察してあげて、何も聞かずにそのままレジ打つべきだったな) 失礼しました」


こんな感じであろうか?
そうなら、もっと全力で謝れ。目を見て謝れ。そして謝り方も「大変に申し訳ございませんでした」に変えろ。なんなら、店長もしくはオーナーを同席させて謝れ。




ただ、例え店員が 内心そこまで酷いことを思っていたとしても、相手の心の声が分かるわけではないので、やはり謝る必要はないように思う。


では店員は、どう対応するべきなのか・・・?



「ポイントカードはお持ちでしょうか?」

「あっ、ないです」

「でしょうね 笑」

 



 


お前、さっきの店員だろ!

謝らなくていいと言ったら、持ち前の常に人を見下す性格を全開に出してきやがって。
お前、絶対自分以外の人間はみんなバカだと決めつけてて、ちょっと起業セミナーに参加したことがあるってだけで、自分は特別に選ばれた人間だと思ってるタイプだろ。あと、ツイッターのフォロワー集めに躍起になってるタイプだろ。
マジでお前、本部に直接クレーム入れてやるから……

ん?本部ってなんだ?


危うく、存在しない本部に、存在しない店員のクレームを入れるところであった。そんなエクストリームクレームを実行していたら、電車内で一人で喚き散らすおじさんへの道まっしぐらである。




うーん、これは思った以上に難しい問題のようである。

 

 

まぁ、普通に考えたら、

 

「ポイントカードはお持ちでしょうか?」

「あっ、ないです」

「無料でお作りできますので、必要でしたらお申し付けください」


これが、限りなく正解に近いであろう。
客がポイントカードを持っていない場合、作ることをお勧めしつつ、無理強いはしない雰囲気で対応するのがベストな対応だと思う。



ただし、長い…。
客がポイントカードを持っていない場合、毎回これを言うわけなので、もう少しスマートにしたい。



「ポイントカードはお持ちでしょうか?」

「あっ、ないです」

「欲しかったら言ってね!」


せめて、これくらいに縮めるべきであろう。


しかし、これでは いかんせんフランクすぎる。
お前は、家でまったりデートの最中に、一人でポッキー食べ始めた彼女か。
付き合って半年以上経ち、お互いに気を使わない期間に突入し始めたカップル同士の会話か。


あぁ、あの頃に戻りたい・・・(遠い目)







うーん、謝らないでスマートに対応するは、思った以上に難しい。
(というか、もう考えるのが面倒くさくなってきた)



そもそも、無理に会話の形にするからよくないのではないだろうか。
店員の一言で完結させる対応にすれば、客側は一切喋らなくて済むはずである。


「ポイントカードをお持ちでしたら、今から30秒以内にお出しください。いち、に、さん…」



これは明らかに違う。

店員側の負担が大きすぎるし、こんな店には二度と行きたくない。



もういっそのこと、こちらが黙らせてしまう手段に出てみるか。


「ポイントカードは……ぁんぅ!」

美和子が男性客に話しかけようとした その刹那、男からの突然の接吻によってそれ以上の会話を遮られた。


「んっ……ふぅん……んっ…」
(やだ、この人……上手い)

美和子の唇に優しく触れ、時に激しく吸い付く 男の唇の滑らかな動きに、美和子の身体は自然と脱力していく。


「んっ……!」

まるで身体に力が入らなくなるのを見計らっていたかのように、男の舌が口の中に入り込んでくる。
口内で舌と舌が触れた瞬間、全身に痺れが走り、美和子は口内にねじ込まれた怪しく動く異物に対し全く抵抗ができなかった。


「ンッ……ぅんッ……」

吐息の激しさが自然と増してくる。


唾液と粘膜がねっとりと絡み合い、静かな店内にはピチャピチャと淫らな音が響き渡る。
美和子の表情は、次第に恍惚の色が帯びたものへと変化していく。美和子は、自身の秘部を中心に全身が火照っていくのをはっきりと感じとった。
そうした美和子の変化とはお構いなしに男の舌は、美和子の弱いポイントを的確に攻めてくる。







そう、男はポイントカードを持っていないのに、ポイントをつける男だったのである。






おあとがよろしいようで













大丈夫、何もよろしくないのは分かっている。
あと、設定が色々とおかしいのもわかっている。(レジのカウンターどこ行った)
そして、なにより私の頭が弱いことも十分に理解している。




しかし、安心して欲しい。
実はこの記事を書いてる途中で、一旦書くのを中断してローソンで買い物をしたのだが、そこで普通に正解に出くわした。



最初の商品のバーコードを読む前に
「ポイントカードお持ちでしたらお出しください」


全ての商品のレジを通し終え
「お会計、◯◯円になります」


袋詰め開始
袋詰め中に、客(私)がお金をトレーに乗せる
袋詰めを終え、現金を受け取ったところで
「ポイントカードはよろしかったでしょうか?」


「あっ、はい」


間髪入れずに
「◯◯円お預かり致しましたので、◯◯円のお返しになります。ありがとうございましたー」





おぉ、なんてスマートな…。

店員のあまりにスマートすぎる対応に、思わず私の秘唇から甘美な蜜が滴り落ちた……。
※だいぶ気に入ってしまった模様


ポイントカードを持っているかどうかを質問形式にするのではなく、最初にあれば出すように促しておき、会計時に出さないことに対して確認の形をとることで、客側の返答は最小限で済むのである。よって、客に手間をとらせているわけではないので、店員も謝罪する必要がなくなっているのである。正に完璧と呼べる解決方法が存在していた。


そして、よくよく考えたら最近はこの対応が多い気がしてきた。むしろ謝罪パターンを使っている店員は、ほとんどいなくなっているのではないだろうか。



つまり、今回の記事は、世間一般ではほぼ解決されつつある問題に対し、今さら問題提議をした挙句、既に最適解が浸透しているにも関わらずトンチンカンな解決法をいくつも提示し、挙句の果てに読者に出来の悪い官能小説を読ませるという、本当にどうしようもない記事というわけであった。ここまで3200文字、ひとつ残らず全てがゴミである。





  店長「大変に申し訳ございませんでした」
吉田粘土「大変に申し訳ございませんでした」