おっとっと冬だぜ

広義の意味では日記だが、狭義的にはゴミ置き場

キリッ!

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先日、会社帰りにドラッグストアで飲み物を購入した時の出来事である。

 

 

私が商品を持って会計の場所まで来たときに、既に1人が会計待ちで並んでいた。

2番目に並び、会計を待つ。

レジが3台ある中で、稼働中のレジは2台。1台は男性の店員で、もう1台は女子高生のアルバイト店員。

そして、ここが重要なポイントであるが、その女子高生店員が可愛かったのである。

大事なことなので、もう一度言っておく、その女子高生店員が可愛かったのである。

その女子高生店員の容姿を芸能人で例えたら、剛力彩芽ノゲイラ(兄)を戦わせて、試合開始早々、剛力がテイクダウンを奪うことに成功し、すかさず剛力がマウントを取って上からパウンドを浴びせようとしたときに、ノゲイラが下から三角締めを繰り出し、剛力の頸動脈が完全に極まってしまって、一瞬で絞め落とされてしまったときのノゲイラの技くらいに美しかったのである。

 

 

 

そして、会計を待つ間に私が考えていたことは、ただ一つ。

「女子高生こいっ!女子高生こいっ!女子高生こいっ!女子高生こいっ!」

以上である。

その他、一切の雑念などはなく、ひたすらに「女子高生こい」だけを唱え続けていた。

 


その祈りが神様に届いたのか、これが引き寄せの法則なのかは分からないが、私は女子高生店員のレジで会計をすることができた。

女子高生店員から「次の方どうぞ」と言われた瞬間、創志学園の西投手ばりのガッツポーズと雄叫びをしかけたが、それは審判に注意されるかもしれないし、高校球児らしくないと世間に避難されるもかもしれないし、何より不審者に思われる可能性が非常に高いために、ガッツポーズおよび雄叫びは控えておいた。

ただガッツポーズを控えただけでなく、女子高生店員のレジになって小躍りしている30代半ばのおっさんという状況に気付かれないために、必要以上にキリッとした表情を作り、眉間に皺を寄せたのである。

そして、別に今考える必要もない来月から会社で新しく導入する大型設備の投資回収プランを考え始めることで、小難しい顔にリアリティを生じさせ、常に仕事のことばかりを考えていて 女子高生には微塵も興味がない 優秀なビジネスパーソン風の男を演じたのである。

 


そのドラッグストアの店内の構造は、会計レジが窓際にあり、店員は窓を背に接客をする形となっていた。

会計中、ふと その窓を見てみると、窓ガラスには明らかに仕事のできそうなキリッとした30代半ばの男性の姿が映っていた。

 

 

そのガラスに映った男は、キリッとした表情はそのままに、鼻が持っている「匂いを嗅ぐことができる」という機能を最大限に活用し、眉間の皺を維持したままクンカクンカし、女子高生の香りを堪能していた。

そして、女子高生店員がレジを操作するために視線を外した次の瞬間に、目を大きく見開き女子高生の身体をくまなくチェックし(どこを重点的にチェックしたかはここではあえて割愛したい)、女子高生店員がまた視線を戻した際には、素早く虚空を見つめ一段と眉間に皺を寄せ仕事のことで頭がいっぱいな男性に戻るといったことをしていた。

 

ちなみに、そのガラスに映った男は、会計の際に細かく小銭を出せばピッタリ支払えたが、「できる男はチマチマ小銭を使わない」という全く持って論理性に欠けた謎のロジックの元、無駄に1000円札で支払って、そこでも謎のできる男アピールをしていた。

本来は更に見栄を張って1万円札で支払いたかったが、残念ながら手持ちが2000円程度しかなかったために、一瞬だけ悔しそうな表情を浮かべたが、すぐに元のキリッとした表情に戻していた。

 

 

そして、そのガラスに映った男は、女子高生店員に対し最後まで女子高生に興味のない優秀な男性と言う印象を与え続けることに成功した。(・・・はずである)

 

 

 

そんなこんなで、女子高生との二人の時間を満喫し、店の外に出てみると、いつにも増して星が綺麗に輝いて見えた。美しい星を見ていると、大昔の人間が星の動きに人の運命を重ねようとした意味が何となく理解できたように感じた。

東京でも気分次第でこんなに星が綺麗に見えるのか・・・、店の駐車場で一人そんなことを思いながら、ふと後ろを振り返り 窓から店内の様子を覗いてみると、女子高生のレジで会計をしている40~50才くらいの中年男性客の姿が目に飛び込んできた。

 


会計している中年男性客の顔を見ると、彼の表情がやたらにキリッとしていた

一部上場会社の役員さんだろうか、そんなふうに思わせるほど、威厳をも漂わせたキリッとした表情であった。

 


あー、彼女の前に現れる男性はいつもキリッとしているんだろうな・・・。

 


そんなことを思った夏の夜。